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国郡の境を定めたもうということは、古くは成務天皇の条、また允恭天皇の御時おんときにもありました。これもまた『姓氏録』に阪合部朝臣さかあいべのあそん、仰おおせを受けて境を定めたともあります。阪合は境のことで、阪戸さかと・阪手さかて・阪梨さかなし(阪足)などとともに、中古以前からの郷の名・里の名にありますが、今日の境の村と村との堺さかいを劃かくするに反して、昔は山地と平野との境、すなわち国つ神の領土と、天あまつ神の領土との、境を定めることを意味したかと思います。高野山の弘法大師などが、猟人の手から霊山の地を乞こい受けたなどという昔話は、恐らくはこの事情を反映するものであろうと考えます。古い伽藍がらんの地主神じぬしがみが、猟人の形で案内をせられ、また留とどまって守護したもうという縁起えんぎは、高野だけでは決してないのであります。
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