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更に小諸町裏の田圃側たんぼわきへ出て見ると、浅々と萌もえ出た麦などは皆な白く埋もれて、岡つづきの起き伏すさまは、さながら雪の波の押し寄せて来るようである。さすがに田と田を区別する低い石垣には、大小の石の面も顕われ、黄ばんだ草の葉の垂れたのが見られぬでもない。遠い森、枯々な梢、一帯の人家、すべて柔かに深い鉛色を帯びて見える。この鉛色――もしくはすこし紫色を帯びたのが、これからの色彩の基調かとも言いたい。朦朧もうろうとして、いかにもおぼつかないような名状し難い世界の方へ、人の心を連れて行くような色調だ。
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